胃腸機能(脾胃)

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胃腸機能(脾胃)

ケイアイ薬品健康相談所では「食生活を含む生活習慣改善」を基本に「中医学の考え」を取り入れた「胃腸機能」の改善のお手伝いをさせていただいております。

人間の生命活動に必要不可欠な「栄養」は、胃腸で消化吸収されて初めて全身に行き届かせることができます。しかし、胃腸機能が低下すると命の源である「栄養」を身体に吸収させることができにくくなるので、徐々に身体の力を落としてしまいます。

胃で食べたものがしっかり消化されて、それらが腸から吸収され、門脈を通って肝臓に行き解毒をして、そこから栄養が血液に溶け込み全身に行き渡ります。胃腸機能の低下している人は消化吸収が上手くいかないので、食事をしても栄養が身体に吸収されにくくなります。
例えば、家族で同じ食事をしていても胃腸機能の悪い人は、食べたものを消化吸収する働きが低下しているので、胃腸機能の良い家族と同じように食事からの栄養をしっかりと消化して吸収することができません。その結果、同じ食事をしているのに、胃腸の悪い方だけが、いつも体調が悪かったり、病気になりやすかったり、疲れが取れない…なんて症状に悩まされることもあります。

中医学の治療では、なにかの疾患を治す時、胃腸機能が低下している場合には、まず、胃腸の治療から入り、胃腸が回復してから主訴であるお悩みの治療に入ります。

漢方も胃腸の調子が悪い人は、うまく身体に吸収して作用できないから…ということもありますが、「胃腸機能が低下している状態=生命力が低下している」ことなので、まずは、そこから改善していくことが前提になります。

胃腸機能低下(胃腸虚弱・ストレス・暴飲暴食・加齢)

胃腸機能がなんらかの原因で低下している人のことです。例えば、ちょっと冷たい物や脂っこいものを食べるだけで下痢をするとか、食欲がなくたくさん食べられないなどの色々な症状をお持ちの方がおられます。

生まれつき胃腸虚弱な方もおられますし、暴飲暴食やストレスなど日常生活の問題、また、加齢により胃腸機能が低下されている方など、原因はそれぞれなので、どのタイプに当てはまるかで対処が変わってきます。


生まれつき胃腸虚弱
やせ形で、食が細く、すぐ風邪を引くなど、胃腸機能だけでなく体全体も虚弱な方のことです。
胃腸の働きには、中医学で言う「気(エネルギー)」が大きく関わっていますが、「気」には、母親から受け継いだ「先天の気」と、日々の生活で作り出す「後天の気」があります。
しっかりとした「先天の気」を母親から受け継いだ人は、生まれながらに健康で胃腸が強い人が多いですが、小さい時から胃腸が弱い人は、この「先天の気」が少ないと考えます。
この「先天の気」が少なくても、食事などから「後天の気」を補うことができますが、「後天の気」は「脾(胃腸)」で作られるので、胃腸の働きが弱い方は「後天の気」を作り出すことができにくく、この悪循環で胃腸が弱いまま生活をする…という方も多くおられます。
また、「気」は元気の「気」です。胃腸が弱い人はこれが作られにくいので、元気もなく、免疫力も低下している状態で、風邪をひきやすく、治りにくい方が多いです。
ケイアイ薬品健康相談所では、胃腸虚弱を改善するお手伝いをさせていただいております。体質をあきらめないで食事と漢方養生することで、元気な胃腸を手に入れることができます。ぜひ、ご相談くださいね。

ストレス
現代社会はストレスが多く、そのせいで精神を病んだり、胃腸機能を低下させたりすることで、胃もたれや胃痛、下痢などの症状を引き起こす方が増えています。
東洋医学では、暴飲暴食やストレスは自律神経に関わる「肝」の働きを乱し、その結果、「脾(胃腸)」に悪影響(八つ当たり)をすると考えます。
「肝」が胃に八つ当たりすると胃酸の分泌が乱れて胃痛を起こしたり、腸に八つ当たりすると下痢を起こしたりします。
子どもが学校に行きたくないときに腹痛を起こすことがありますが、これはストレスで「肝」の気が滞ってパンパンになり、その結果、「肝」の気がお腹に八つ当たりすることで起こる腹痛です。なので、母親に「学校に行かなくてもいい」と言われたとたんに「肝」に滞っていた「気」が解放されて治るのです。
このような子どもの腹痛はうそではなく本当に起こっているのですね。

暴飲暴食
暴飲暴食の多くはストレスに原因があります。中医学的には、ストレスが「肝」へ悪影響を及ぼすことで食欲を制御する働きが乱れて起こると考えられます。
また、暴飲暴食をすることで、その人の胃腸機能に見合わない食事を消化吸収しないといけなくなり、胃腸に負担をかけて、更に機能を低下させてしまいます。
このような「肝」が悪影響を及ぼす胃腸機能の低下には、漢方がよく効きます。自分にあった漢方をもっておくことで、症状が出た時や続くときに飲むことで素早く対処することができます。

加齢
「今までよりも食べる量が減った」「食後に眠くなる」などと感じておられる方もおられます。これは、加齢と共に「脾(胃腸)」の働きが衰えてきたことにより起こる自然なものです。
食欲を取り戻そうと無理に食べると逆効果です。お付き合いでどうしても食べないといけない時には、8分目にする、良く噛んで食べる、漢方の消化剤を一緒に飲むなど消化を助けることで胃腸の負担を減らすことができます。

胃のトラブル(逆流性食道炎など)

胃が痛い、胃がもたれる、重い、キリキリする、胸やけがする…胃の不快症状は、ストレスや暴飲暴食、冷えなど様々な原因で起こります。

例えば、胃もたれに関しては「胃の働きが弱っている」又は「胃の働きは正常だけど、胃に負担になる食べ物を食べた」時に消化に時間がかかることで起こります。なので、胃腸の働きを良くする漢方を飲むか、消化を助ける漢方を飲むことで改善することができます。


胃痛や胸やけ、逆流性食道炎などは、ストレスで胃酸のコントロールができないことで起こります。ストレスを起こしている「肝」の「気」を開放する漢方などを飲むことで改善していきます。

逆流性食道炎
胃から強烈な胃酸が上がってくる。胸が焼ける。激痛を感じる。臭いゲップが出る。胸から胃にかけてムカムカする。これらは逆流性食道炎の症状で、東洋医学では「呑酸」といいます。
中医学では「肝気犯胃」といい、「肝」が胃に八つ当たりをする状態で、主な原因は「ストレス」です。もともと胃腸虚弱な人はストレスが胃にくるので、逆流性食道炎になりやすい傾向にあります。
ストレスが強いと逆流性食道炎以外に、脇腹が張る、気持ちが落ち着かない、怒りっぽい、口が乾く、のどが渇く、口が苦いなどの症状が出ることがあります。
また、唾液が多い、温かい飲食物を好む、手足が冷える、下痢しやすい、舌が白っぽく苔が白いなどの症状が出る場合には、胃腸が冷えていることが考えられます。
同じ逆流性食道炎でも、症状により起こる原因も変わるため飲む漢方も違ってきますが、適切な漢方養生をすることにより改善することができます。

腸のトラブル(腸内環境・便秘・軟便・下痢など)

腸の大腸と小腸は、それぞれの働きはまったく違います。小腸では酵素の働きにより食べ物を消化し、栄養分を吸収します。大腸は水分を吸収し便として排泄するという働きがあります。

中医学では、胃腸の働きが悪くなったり、腸内環境が悪化したりすると、全身に必要なエネルギー「気」を補うことができなくなると考えます。全身に「気」が行き届かない状態では、胃腸症状だけでなく、疲れやすい、むくみや冷え、頭痛、肩こりなどの「不定愁訴」が起こり、代謝も悪くなり、肌のトラブルや肥満にもつながります。


また、過敏性大腸炎やクローン病、大腸がんなど腸自体に病気がある場合もあります。いずれにしても、腸内環境を整えることが改善につながります。

腸内環境
私たち人間の腸内には、体内に棲む細菌のうち約9割が棲みついています。その数はおよそ100兆から~1000兆個で、種類は約1,000種類、重さにして約1~2kgあると言われています。
また、小腸には体内の免疫細胞の60%以上が存在し、人体最大の免疫器官です。最近の研究では、小腸だけでなく大腸にも免疫機能があり、さらに大腸にすむ腸内細菌が免疫力と大きく関係していることが分かっています。
腸内細菌は小腸にもいますが、大半は大腸にいます。腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」、そしてそのどちらか多いほうに加勢する「日和見菌」の3種類に分けられます。
「善玉菌」が優位の時には「日和見菌」も善玉菌の加勢をするので腸内環境は安定しており、ツルンとした切れの良い臭くないキレイなバナナ便が出ます。また、腸内は「発酵」状態なので善玉菌など様々な有用なものが増えて、腸内環境を更に良くしていきます。
「悪玉菌」が優位の時には、便秘、下痢や軟便など腸の病気などのトラブルが起こります。また、腸内は「腐敗」状態なので便やおならなどが非常に臭い匂いを放ちます。

便秘
便秘は、赤ちゃんや小さなお子さま、女性や高齢者に多くみられるお悩みです。
原因は様々ですが、お子さまの場合は胃腸機能が未熟、大人の場合は胃腸機能の低下プラスその他、複数原因があり、ご高齢者は、胃腸機能の低下による食欲の低下や筋力の低下などが便秘の大きな原因となっています。
便秘には大きく2タイプがあります。

①痙攣(けいれん)性便秘
ストレスなどが原因で、腸が痙攣性の収縮運動が起こり、大腸で便が正常に運ばれなくなることで起こる便秘です。コロコロとしたウサギのフンのような便が特徴です。
② 弛緩(しかん)性便秘
運動不足や食生活が悪い(野菜など食物繊維をとらない人)ため、大腸全体の動きが悪くなって起こる便秘です。この場合、太くて固い便の場合になります。

また、他に便秘と下痢を繰り返す方がおられます。このタイプの方は、胃腸の働き自体が低下しているタイプです。
どの便秘も、冷えや食事や運動などの生活習慣を改善することが基本となりますが、赤ちゃんや小さいお子さま、ご高齢者の場合には、まず、出して楽にしてあげること、また、出せる環境を作ってあげることも大切です。

便秘で悩んでいる人の数
成人の便秘で「自覚症状がある人」は、男性で「4.0%」、女性で「5.9%」で、実に日本人7〜8人に1人が便秘の症状を持つと言われています。
多いのは、20代~40代の女性、70歳以上の男女です。和食中心の食生活から欧米化した食生活への変化や外食などによる食物繊維不足、冷え、老化、運動不足などの生活によって引き起こされています。
中医学的に便秘は、「気・血・水」のなかの「水」の不足、ストレスや緊張による「気」の異常、「血」の異常である「お血」などによって起こると考えられています。
便秘は、腸内に便が長期間溜まった状態なので、腸内細菌に悪い影響を与えます。便がエサとなって、悪玉菌が増殖します。そして、増えた悪玉菌は日和見菌を味方に付けて、発ガン物質、発ガン促進物質、アンモニア、硫化水素などの有害物質や、おならの元となるガスを発生させます。
便秘が続くと、悪玉菌が作った有害物質が腸壁から吸収されて、血液中を巡り、身体やお肌の健康状態を悪くします。
健康な方は、1日1回排便があります。便秘の方は、ご自身の身体のためにも積極的に改善することが望ましいですね。漢方や健康食品で、体質も改善しながら便秘も治すということができます。便秘でお困りの方、また、困っていないけど便秘の方は、一度、ご相談ください。
また、赤ちゃんやお子さま、高齢者の便秘もご相談ください。多くの結果が出ています。

軟便
下痢ほどでは無いけれど、いつも柔らかい形のないドロドロした便を軟便といいます。
これは、消化吸収を主っている、「脾(ひ)」の機能低下によるものです。中医学で軟便は、栄養分と水分を吸収する脾の(水分コントロール)機能が低下していることが原因と考えます。
原因として一番に考えられるのは、「冷え」です。軟便は、身体が冷えることにより、腸の機能が低下している状態で起こりやすくなります。この軟便の状態をそのままにしておくと、胃腸機能が回復しない上に、せっかく食べた食べ物が吸収されにくいという悪循環になり、体力や身体の機能が落ちてきます。
基本は、食生活と冷えと腸内環境を改善することで治ります。ご自身の軟便を無視しないで、しっかりと治していきましょう。ご相談ください。

下痢
下痢とは、便内の水分が多く含まれ、中には水のような便が出る方もおられます。また、便が何度も出る、出かけられないなど日常生活にも差し障りのある症状が出てきます。
下痢には、胃腸(菌やウイルスの感染)風邪による下痢、冷えによる下痢、湿気が体に溜まることによる下痢、胃腸虚弱(元気不足)の下痢、食べ過ぎなど消化不良による下痢、ストレスによる下痢など様々なものがあります。
中医学的には、脾(ひ)の働きや湿(しつ)が関係していると考えられています。

寒湿による下痢
水のような便、未消化物が混ざる便、排便後は痛みが軽減する、お腹がゴロゴロと鳴り痛みを伴う、食欲がない、風邪の症状が伴う、舌の苔が白く粘り気がある場合は、冷えによる下痢と考えます。
冷たい飲食物、生もの、油っぽいものなどの取りすぎ、身体が物理的に冷えたことが原因で、胃腸の機能が低下して、水分代謝が滞り、下痢になります。

湿熱による下痢
急な下痢、腹痛と下痢が交互に起こる、排便後もすっきりしない、悪臭を伴う便、肛門の熱感や痛み、発熱や口の渇きがある場合は、湿熱による下痢と考えます。
暴飲暴食、食中毒、風邪などで細菌やウイルスの体への侵入により、消化不良をおこし、熱性の下痢を招いたものです。

脾気虚(胃腸虚弱)による下痢
下痢(泥状便),顔色が悪くなり、疲れやすくいつもだるい、食後すぐ眠くなる、食後お腹が張りやすい、ゲップがでやすい、胃下垂、子宮下垂、脱肛などをお持ちなど、胃腸虚弱の方の下痢です。
元々、胃腸虚弱の方、過労や心身のストレスや、生活の不摂生などが原因で、気のエネルギーが不足して、胃腸機能が低下して下痢を起こします。

脾腎陽虚(脾と腎の冷え)による下痢
水様性の便(シャーと出てしまう便)、みぞおちあたりが痛む、むくみやすい、尿がでにくい、尿の色がうすい又は透明で多量に出るなどの下痢です。
脾気虚状態が長年続いた方、毎日冷たいビールやお酒、アイスクリームを食べる方、加齢による「腎」の機能低下によって、脾と腎が冷えるなどが原因で下痢を起こします。
腸のトラブルを見過ごしていると第絵腸炎や大腸がんなど大きな病気につながる可能性もあります。また、腸内環境は、便秘や下痢だけの問題ではなく、免疫や精神面などに大きく関係があるため、健康を維持又は改善するためには、常に状態を良くしておくことが大切です。なにか症状をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。