60才以上のお客さまで年齢が上がれば上がるほど【骨粗しょう症のお薬】を飲んでいる方が非常に多いなと感じます。
骨が作られる仕組み
私たちの身体の骨は、日々作り替えられています。破骨細胞(はこつさいぼう)が古くなった骨を壊し、骨芽細胞(こつがさいぼう)が集まって新しい骨を作ります。健康な人の場合は、破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく働いて骨量を一定に保っていますが、これが老化などの原因により破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れて破骨細胞の働きが強くなると、ドンドンと骨が弱くなっていき【骨粗しょう症】を発症してしまいます。
骨粗しょう症になると、当然、骨がもろくなるので骨折しやすくなり、高齢者の方であれば、それが原因で歩けなくなり寝たきりになってしまうこともあります。なので、きちんと自分の骨をチェックして、骨粗しょう症にならないように予防していくことが大切になります。
骨粗しょう症の薬(医薬品)
骨粗しょう症の治療薬としては「腸管からのカルシウム吸収量を増やす薬」「骨形成を助ける薬」「骨吸収を遅らせる薬」の三つが主に使用されています。
(1)カルシウム製剤
骨を作るために必要なカルシウムを補給します。
医薬品としては、L‐アスパラギン酸カルシウム(商品名:アスパラCA)があります。
(2)活性型ビタミンD3製剤
腸管からのカルシウム吸収を促すためにビタミンDを補給します。カルシウム吸収に必要なビタミンDは日光に当たることで合成されて肝臓や腎臓で活性型ビタミンD3となり、小腸のビタミンD受容体に働くことでカルシウム吸収が促される仕組みになっています。
日光に当たらなくても、活性型ビタミンD3を摂取してビタミンD受容体を刺激することができれば、カルシウム吸収を促進することができるという考えです。
医薬品としては、アルファカルシドール(商品名:アルファロール、ワンアルファ)、カルシトリオール(商品名:ロカルトロール)などがあります。
(3)骨吸収を遅らせる薬(骨吸収抑制薬)
*カルシトニン製剤
カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモン(セレトニン系神経)であり、破骨細胞に作用することで骨が溶けだすのを抑える働きがあります。
一般的には、骨粗しょう症によって起こる疼痛(腰や背中の痛み)の緩和として使用されます(週1回の注射)。
医薬品としては、エルカトニン(商品名:エルシトニン)などがあります。副作用は、吐き気・肝機能上昇・高Ca血症・顔面紅潮などです。
*イプリフラボン
イプリフラボンは植物性ビタミン様物質で合成によって作られたフラボノイドで、骨吸収を抑制する作用をもっています。
医薬品としては、イプリフラボン(商品名:オステン)があります。
*ビスホスホネート製剤
ビスホスホネート製剤は破骨細胞の働きを強力に抑えることで骨吸収を防ぎ、骨量を増やす働きがあります。
中~重度の骨粗しょう症に使用されますが、ビスホスホネート製剤は腸管からの薬物吸収が悪いため「起床後すぐに服用し、その後30分は水以外を飲んだり食べたりしてはいけない」などの制限があります(1日1回 又は 1週間に1回 又は 1ヶ月に1回)。
医薬品としてはエチドロン酸(商品名:ダイドロネル)、アレンドロン酸(商品名: フォサマック、ボナロン)、リセドロン酸(商品名: アクトネル、ベネット)、ミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)などがあります。副作用は、下痢・胃部不快感・発熱・顎骨壊死などです。
*エストロゲン製剤
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、骨吸収を抑制する作用があります。閉経後の女性は急激にエストロゲンが欠乏して骨量が減少します。閉経後の骨量減少に対してエストロゲン製剤を投与すると骨量の減少を抑え、結果として骨量増加に繋がります。
このような骨粗しょう症治療薬としてエストラジオール(商品名:ジュリナ)などがあります(1日1回)。副作用は、ほてり・皮膚炎・静脈血栓症・下肢の疼痛・むくみがあります。また、エストロゲンには乳がんなどの発がん性があるので注意が必要です。
骨粗しょう症は毎日の生活で予防しよう
色々と薬が出ていますが、自然の骨の形成を阻害すること、副作用があることなどを考えると薬に頼るのは怖い面もあります。
大切なのは、まず、薬に頼るのではなく、食生活を含む毎日の生活習慣を見直すことです(^^)/
健康相談所では、随時、骨の健康相談をさせて頂いておりますが、9月7日(土)の100円商店街では【骨の健康チェック&栄養士さんによる骨が強くなるお食事のお話】を個別にさせて頂きます。
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*** ケイアイ薬品健康相談所 いそざきかおりうの